小笠原伯爵邸 | 一軒家レストラン倶楽部

小笠原伯爵邸








☆☆
27.0        

外観
4.5
エントランス
4.0
ウェイティングルーム
5.0
ダイニングルーム
4.5
化粧室
4.5
料理・接客
4.5

【外観】

地下鉄大江戸線の若松河田駅を降りると、真裏にあるお屋敷レストラン。
あまりの近さに驚いた人も多いと思う。

駅からちょっと近すぎかな?

この小笠原伯爵邸は、

長い間放置されていた小笠原長幹伯爵(旧小倉藩主)の本邸を
1年半の歳月をかけて全面改修を施し、

新たにレストランとして甦らせたものである。


建物は地上2階地下1階。敷地1,000坪に建坪330坪。

日本では珍しいスパニッシュ様式の建物である。
「掻き落とし仕上げ」と呼ばれるクリーム色の外壁には

鉄格子の飾りが施された窓がついている。
エメラルドグリーンのスペイン瓦、

建物中央には中庭があり、

ロの字で囲むようにして建っている。

地下には会員制ワインセラーもある。



【エントランス】

駅を降りると、左に小さな看板が置かれている。

そして左に進むと建物が見えてくる。

建物の前面は、舗装がされているだけで

特に整備はされてなく、駐車場として利用されている。


門は左側に存在するが、

あまりこの門を通って入ってきている人はいない。

もし門を通って向かいたい人は、駅を降りて右に曲がると良い。

こっちが正門?


玄関前には鳥の形に整えられた大きな鉢植えが2つ置かれている。

上部にあるキャノピー(ひさし)は、葡萄棚をイメージしてつくられ
よく見ると、ぶどうの蔦・葉・実がデザインされている。

中に入ると、まずロビー(エントランスホール)がある。

ロビーの天井には、鳩が描かれたステンドグラス飾られている。

このステンドグラスは、当時のカラー写真をもとに

イタリアで復元されたものだそうだ。

エントランス  



【館内見学】

食事をする人だけが館内を見学することができる。

※カフェの利用者は残念ながら見学することはできない。


見学コースは約30分程度。

1階のエントランスからスタートし

旧食堂、ラウンジ、喫煙室(シガールーム)を見学、

建物中心に位置する中庭へ移動した後、

天気も良かったのでそのまま屋上へ。

庭園を眺めながら外壁の装飾の説明を受け、

2階の小部屋をのぞいた後、

1階へ戻り「バー&カフェ」などを見学して終了。


すべての部屋が見所と言ってよいが

中でも、2003年5月に完成したシガールームは素晴らしい。

イスラム様式の内装と装飾タイルの外壁。

中央に太陽、まわりには花や鳥が散りばめられている。

装飾は多数壊れていたそうで、

当時と同じように復元するのに、長い歳月がかかったそうである。

装飾  建物左側面  中庭

 ※部屋の詳細を記録しようとも考えたが

 小笠原伯爵邸のHP にはレストランのサイトとは思えないくらい

 館内情報が詳しく説明されているので、そちらをご覧ください



【ダイニングルーム】

見学後、ラウンジへ案内され食前酒をいただいた。

ラウンジ等で寛いだ後、次はダイニングへ。

案内された席はメインダイニング・テラス席。

外には、スペイン風の街並みを描いた外壁(パネル)が立てられているため

かなり不思議な空間が広がっている。

よく描けているので、面白がって見てしまったが・・・・やはり不自然である。

雑誌などでもこのパネルが載っている写真は見たことがない。

このパネルさえなければと、

つい思ってしまうのは私だけだろうか・・・。

ちょっとアンバランス?  道路から見える不思議な絵画  裏から見た中庭



【料理・接客】

ランチ 7,350円

ディナー 9,450円


スペイン人の総料理長「ホセ・バラオナ・ビニェス」シェフ。

コース料理は昼、夜ともに1コースのみだが、

ホセシェフの故郷であるスペイン・カタルーニャ地方の伝統料理に

最先端の現代料理をミックスしたモダン・スパニッシュは絶品である。

スペイン料理の垣根がないというか

フランス料理、日本料理など様々な料理とコラボレーションしている感じだ。


私にとって、初めて食べるスペイン料理だったが、

スペイン料理だからといって、

フレンチとイタリアンと大きく違うわけではなかった。

私が感じた違いは、通常のコースより品数が多いこと。
それとバターベースの料理と違って

オリーブオイルベースの料理が多かった気がする。

1品1品が斬新で、文句の付けようのないくらい美味しい。

特にグラスに入った「飲むショートケーキ」には、

シェフの遊び心と、素晴らしい技術が感じられた。


サービスは人によってかなりの違いがあるように感じられたが、

私の席で説明してくれた人は、

丁寧でわかりやすく、ときにはユーモアもあって素晴らしかった。

  ■トマトのトースト

  ■フォアグラと焼き野菜のミルフィーユ

  ■スパニッシュオムレツ

  ■真さばのマリネ・シードルビネガー風味とフレッシュりんご

  ■赤座海老とアーモンドアイスクリーム

  ■ホタテとハーブのサラダ

  ■フルーツトマトのガスパッチョ

  ■3種の魚のソテーのクリームスープ:カルデレタ

    仔羊のカレーソース

    和牛のグリエゆず風味・シェリービネガーソース

    魚のバエリア・お茶漬け風

  ■ショートケーキ

  ■クレマカタラーナとココナッツのブリオッシュ

メニュー(表)

2人で飲んで食べて4万円前後。

このクラスのレストランにしては、かなりリーズナブルな価格設定になっている。



コーヒーブレイク

 小笠原伯爵邸が、アーティストに良く使われていたのをみなさんご存知ですか!

 最近では、ラルクアンシエル「叙情詩」のプロモーションビデオにも登場しましたし、

 平井堅が20人のみを招待して行った超プレミアライブの会場としても有名です。

 他にもジャガーの広告にも使われていたと思います。

 小笠原伯爵邸は、建築物としても幅広い分野で高い評価を得ているようです。




 ■小笠原伯爵邸 関連サイト

   小笠原伯爵邸 (公式サイト)

   東京いい店真っ当な店?

   近代建築ホームページ  

   建築散歩  

   tansei.net

   夏のお気に入り  

   東京都のホームページ  



dinner:2003.7 photo:2005.5



小笠原伯爵邸

〒162-0054
東京都新宿区西河田町10-10(若松河田)
TEL03-3359-5830